こんにちは!
「小説を演じる小説劇研究所」
S-Rラボ 松井みどりです。
今回は
「感情的なセリフの読み方」
についてお話します。
基本的な考え方
舞台朗読は、基本的に
ひとりで行います。
ですから、感情的なセリフを読む時は
地の文とのバランスを取ることが
とても大切になります。
作品や登場人物によって
どう表現したら一番伝わるのかは
違ってきますので、
一概に「こうすればいい」
ということは言えません。
でも、基本的な考え方は
ありますので、お伝えしますね。
声は作り過ぎなくて良い
声優さんで、完璧に違った声を
出せる方、いらっしゃいますね。
あれはすごい技術だと思います。
そういうことができ、なおかつ
その作品を伝える時に有効であれば、
どんどんやってください。
しかし小説劇で朗読をする時には、
基本的に、
無理に声を作る必要はないと
思っています。
舞台にいるのはひとりなので、
あまり劇的に声が変わってしまうと
観ている方が違和感を感じることが
あるからです。
例えば赤ちゃんであるとか、
ものすごく年を取った人物の場合は
声色を使った方が有効な時も
ありますが、
それ以外は
あまり声を作ることに
こだわる必要はありません。
その人がそのセリフを言う時の体を再現する
そのセリフを言う人が
どんな体の状態で
そのセリフを言っているのか、
考えてみましょう。
基本的にセリフは
その人の気持ちを考えて、
その気持ちを乗せて
言えば自然に聞こえます。
でも、気持ちを考えても
何をどう変えていいのか
わからない時は、
体の状態を
変えてみてください。
それによって声色や、読み方が
自然に変わります。
一瞬で気持ちを切り替える
ここは小説劇が
芝居と大きく異なる点です。
特に会話の時は
一瞬で相手の体になることが
大切です。
登場人物ひとりひとりの気持ちを
考え過ぎてしまうと、
この切り替えがなかなかできません。
ひとりで話の流れを伝えられるよう、
切り替えのタイミングを
速くしましょう。
以下に表現の例をあげます。
最初は大きく表現してみてください。
それができてから
地の文に合わせた大きさにしましょう。
まずは大きくやってみる。
なぜなら大抵の場合は
自分が思っているほど
表現ができていないからです。
「やりすぎかな…」くらいやって
ようやく伝わりますので、
まずは大きく!を意識してください。
具体的な例
それでは、いくつか
具体的な例を挙げます。
怒る・威嚇する
怒っている時の体は
基本的に前のめりです。
言葉を相手にぶつけようと
するからです。
姿勢が良いか、悪いかは
登場人物によって異なります。
声は感情の振れ幅に従って
大きくなり、
テンポは速くなります。
威嚇する時は怒る時と似ていますが、
もう少し威厳を持って
相手を脅すことになるので、
姿勢を良くして、相手を上から見下ろし、
ゆっくりと大きな声で
威圧するような体で読むと、
そのような表現ができます。
嘲笑する
子どもが相手をからかう、
といったような場合は、
やはり体は前のめりになり、
あごを突き出します。
「嘲笑」を表す一番のポイントは
この「あご」だと思います。
試しに、あごを引いて
嘲ることができるか、
やってみてください。
やりづらいですよね。
もう一つのポイントは
「笑顔」です。
もちろん普通の笑顔では
ありません。
「嘲笑」というからには、
笑いながら相手をバカにする
わけですから、
目に力が入ります。
普通の笑顔では
目も細くなりますが、
嘲笑の場合は目は笑ってないので
見開いたままにしてみましょう。
怖~い笑顔になるので、
セリフの内容に合わせて
使ってみてください。
狂喜する
ものすごく嬉しい!
という表現なので、まず
ご自分のテンションを上げる
ことが大切です。
ひとつめのポイントは
「声を高くすること」です。
狂うほど喜ぶのですから、
落ち着いていることは
絶対にありません。
なので、ご自身なりに
声を高くしてみてください。
そしてふたつ目のポイントは
こちらも「笑顔」です。
この場合の笑顔は
本当に嬉しい笑顔ですから、
自然に嬉しい時の笑い方で
大丈夫です。
どんなに声を高くしても、
やはり表情が変わらないと
伝わりづらいので、
自分としては
大げさすぎるなぁ、と思うくらい
笑って、テンションを上げて
みてください。
たぶん、それくらいで
ちょうど良いと思います。
まとめ
今回は
「感情的なセリフの読み方」
についてお話しました。
何度も言いますが、
そのセリフを言う人物の
気持ちを考えることが
一番大切です。
でもそれを、どうやって
実際に表したらいいのか
わからない場合は、
お伝えしたように、
体の状態を変えてみてください。
それだけで、必ず
声や読み方に変化が出ます。
感情的なセリフは
言うのが恥ずかしいので、
表現として小さくなりがちです。
練習する時は、
自分がちょうどいいと思う大きさの
3割り増しで思い切って
やってみてください。
それを録画して見直し、
バランスを取ることを
おススメします。
思い切ってやってみましょう!
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