もしかしたらアナタも?「読みグセ」に気づき、直す方法

こんにちは。
声と体で小説の世界を
生き生きと表現する舞台朗読研究所
S-R Labo 松井みどりです。

今回は「『読みグセ』に気づき、
直す方法読」
についてお話します。

読みグセとは

朗読を始めた時、最初にやったのは
「棒読みを直すこと」だったという方、
多いのではないでしょうか?

それくらい棒読みは
読むことを日常的にやっていない方には
普通に起こることです。

最初は何が棒読みかすら
わからないかもしれませんが、
これは適切に抑揚をつけることで
直すことができます。

今日お話する「読みグセ」とは
棒読みのことではなく、
独特の抑揚しゃくりのことです。

ここが問題となる方は
すでに朗読をある程度続けていて、
気持ちを込めて読むことには
自信がある
、という方が多いです。

なので、棒読みより
少し直すのに時間がかかりますが、
一度理解できれば
後退することはありません。

独特の抑揚

舞台朗読では、
普段話しているような
自然な抑揚で読む
ことが
とても大切です。

普通に話している時には
絶対そんな風に言わないのに、
なぜか読む時だけそう言ってしまう…。

しかも自分でそう読んでいることに
なかなか気づくことができない…。

これが「独特の抑揚」
私が呼んでいるものです。

「どうしてそうなるのかわかりません」
という文章があります。
通常はこんな風に抑揚をつけます。

ど  
     うな   
 うしてそ  るのか かりませ
          わ    ん

独特の抑揚で読むと、
例えばこんな風になります。

     うな 
ど      るのか かりませ
 うしてそ     わ    ん

この場合は、最初の「ど」の音が
上がり切っていないために、
その後の音を高くして
無意識にバランスを取っています。

このように独特な抑揚は、
音が上がるべきときに上がらず、
下がるべき時に下がっていない時に、

そのままの音で読むのが苦しいために
自分の都合であげたり下げたりする

ことで起こります。

しゃくり

バスガイド読みや、
ナレーター読みなどとも言います。

または「音を抜く」とも
言います。

「右へ曲がりまぁ⤴す」

「そ⤴れでは次の曲です」

「ルパァ⤴ン」

こんな感じで、
高い音にポンと飛ばずに、

低い音から高い音へと
息を抜きながらスライドする
発声
のことです。

効果的に使うのであれば
表現として面白いのですが、
無意識にこうなってしまうのは
問題
です。

自分の表現したいことと
聴き手の受け取り方に、
大きな差ができてしまう
可能性があるからです。

読みグセに気づく方法

この読みグセというのは
本当にやっかいです。

なぜかと言うと、
表現しよう!と思うと
出てくることが多い
からです。

そのため初心者ではなく
経験者に多いのです。

また自分では気づきにくい
ということも
直すのが難しい理由の
ひとつです。

私はよく
「今、こんな風に聞こえてます」
と言って、生徒さんの真似を
することがあるのですが、

ほとんどの方は
「え?そんな風に読んでないのに…」
という表情をされます。

経験上、読みグセは
自分で気づくことができれば
すぐに直ります。

逆に言うと、
それくらい気づくのが
難しいこと
なのです。

では、どうしたら
自分の読みグセに
気づく
ことができるのでしょう?

自分の読みをシャドーイングする

おススメは、
自分の読みを
シャドーイングする
ことです。

シャドーイングとは
英語を学ぶ時などに
よく使われる手法で、

お手本音声を聞いた端から
全く同じ音、抑揚、ブレスで
追いかけながら読むこと
です。

例えばニュース
シャドーイングするとします。

「今日午前10時半ごろ、
東京都杉並区のみずほ銀行高円寺支店に
銀行強盗が押し入りました」

この文章をシャドーイングするなら、
まず「今日」と聞いた時点で
「今日」と同じように
声に出します。

するとその間に「午前10時半ごろ」
が聞こえてくるので、
「午前10時半ごろ」と言います。

さらにその間に「東京都杉並区の」
あたりが聞こえてくるので、
すぐに「東京都杉並区の」
同じように声に出します。

このように、
聞く→声に出す(聞く)→声に出す(聞く)……
という風に、聞いては声に出すことを
繰り返します。

自分の朗読音声をお手本音声にして
自分をシャドーイングしてみましょう。

全く同じ音、抑揚、間で読むことで、
普段は気づくことのできない
自分の読みグセをチェックしてください。

「普段から読みながら聞いてます」
とおっしゃる方もいると思いますが、
読んでいる時は文字を見て音声化することに
集中しているため、

自分の声をちゃんと聞けていない
ということがよくあります。

読みグセがある、と言われる方は
ぜひお試しください。

読みグセの直し方

では、自分に読みグセがあると
分かった時に、
どうやって直せばよいでしょうか?

文章でお伝えするのは
とても難しいのですが、
ヒントをいくつかご紹介します。

高い音をしっかり上げる

高低の抑揚をつける時、
高い音を意識して
しっかり上げてみてください。

読みグセは大体の場合、

音をしっかり上げることができず、
だんだん低くなって苦しいので

勝手に音を上げる、
ということが多いからです。

自然に読めているなと思う人の読みを
シャドーイングしてみましょう。

例えばあまり抑揚をつけていなそうな
NHKのニュースアナウンサー
シャドーイングしてみてください。

きっと思っているより
抑揚をつけて読んでいる
ことに
驚くと思います。

それを何度もやっていると、
音を上げる時どこまで上げればいいのか
わかるようになります。

ここまで理解できれば、
読みグセはなくなります。

狙った音にポンと飛ぶ

先ほどお話した
高い音をしっかり上げる時、
狙った音に一発で
ポンと飛べる
ようになりましょう。

高い音を出す時には
横隔膜をポンと跳ね上げ、
肺の空気を一度にたくさん
吐き出す
必要があります。

この横隔膜がうまく動かせないと
一度にたくさんの空気を吐けないため、
探るように下からあがっていくような
読み方
になります。

さらに高い音が出づらいために
音を抜いて、出しやすくすることで
出てしまうのがしゃくりです。

これは意識するだけで
直せる方ももちろんいますが、
横隔膜をうまく使えない
なかなか直せません。

横隔膜をしっかりトレーニングして
狙った音をきっちり
出せるようになりましょう。

普通に言うならどう言うか考える

読む時に無意識に
「読みスイッチ」が入る方、
とても多いです。

というか、それ自体は
悪いことではありません。

「読んでる時は声が違うよね」
と言われる方は、大体
スイッチを持っている方です。

今回問題にするのは、
普段自然に話す時には
絶対にそういう抑揚では
言わないのに、

なぜか読む時だけ
そう言ってしまう
、ということが
ないかどうかです。

あまり意識していないかも
しれませんが、
こういうことは
珍しいことではありません。

もしこの文章を覚えて
自然に言うとしたら、
どんな風に言うだろう…

と考えてみることで、

読み方を変えるヒント
得ることができます。

自分でわかればすぐ直ります。
少し考えてみてください。

まとめ

今日は
「『読みグセ』に気づき、直す方法」
についてお話しました。

なかなか文章でお伝えするのは
難しいのですが、

もしご希望が多いようでしたら
動画などでお伝えする方法も
今後考えます。

私自身も若い頃は
音を抜いて読むクセがあり、
それに気づくまでに
だいぶ時間がかかりました。

一番いいのは、
信頼できる方に聞いてもらい、
指摘してもらうこと
です。

また横隔膜トレーニングについては、
3週間一緒にトレーニングをする
音声レッスンをご提供しています。

ご興味ありましたら
こちらからご覧ください。

自分のクセを早く取って
伝わる読みを心がけましょう。

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S-R Labo主宰
松井 みどり

元フジテレビアナウンサー。退社後はナレーターとして活動する一方、舞台活動もスタートし、芝居、朗読、朗読劇などの舞台に年に10本ほど参加。2014年より教える仕事も続けている。

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