「読みにテンポがない」と言われた時の練習方法

こんにちは。
声と体で小説の世界を
生き生きと表現する舞台朗読研究所
S-R Labo 松井みどりです。

今回は
「読みにテンポがない
と言われた時の練習方法」

についてお話します。

テンポがなくなる時とは?

テンポがなくなる時って、
どういう時なのでしょう?

ひとつ目の状況は、
全ての言葉を大事に読もうと
思い過ぎてしまう時
です。

作者が書いた言葉を
大切に届けたい…
という気持ちは
とても大切なことなのですが、

全ての言葉を大事にして
ゆっくりゆっくり読んでしまうと、
逆に理解しづらくなってしまう、

ということが起こります。

人間、普通に話している時は、
無意識にテンポを変えているのですが、

それが一定+ゆっくり
なってしまうために
よくわからなくなってしまう、
ということなんですね。

ふたつ目の状況は、
とにかく
間違わないように読もうと
思う時です。

やはりゆっくり読んだ方が
読み間違うことは減りますが、
それでは表現にはなりません。

そこには
あまり気を遣わなくてすむくらい、
読む練習をしておきましょう。

具体的な練習方法は?

一番いいのは
もっと内容を理解して、
話しているように読むことです。

そうすると自然に抑揚がついて
わかりやすく読めます。

しかし、それはわかっているんだけど
どうしてもテンポを
変えることができない…
という方も
いらっしゃると思います。

そういう時は
「緩急読み」
試してみてください。

スピード変化読み

まず、何か読むもの
用意してください。
何でも構いません。

最初に、比較のために、
普通に読んで録音して
おいてください。

次に「緩急読み」
をやってみましょう。

まず適当なところまで
ゆっくり読みます。

普段の倍くらいの
ゆっくりしたスピード
読んでください。

そして息を吸わずに
次の部分を速く読みます。

速く読む時は、
聞き取れなくてもいいので、
自分が読める最速のスピード
読んでみてください。

この時、内容を
考える必要はありません。

例えばこんな感じです。
太字がゆっくり、
普通の字が速く読むところ

(吸う)とあるところで
息を吸ってください。

ある日の暮れ方のことである。(吸う)
一人の下人が、(吸う)羅生門の下で
雨やみを待っていた。(吸う)

(「羅生門」芥川龍之介より)

このように、ひと息の中に
速い部分ゆっくりの部分
必ず入れます。

速さが変わるたびごと
息を吸いたくなると思いますが、
そこは我慢してください。

また息を吸う時は、
ゆっくり吸うのではなく、
なるべくパッと速く
吸ってください。

この練習は、
自分の読みのテンポを
強制的に変化させる練習
です。

ですから、内容にはこだわらず、
速さの変化だけを考えてください。
これを何度か繰り返します。

しばらくこの練習をしてから
今度は普通に内容を伝えようとして
読んでみてください。

それを録音して、最初のものと
聞き比べてみてください。

何か変化はありませんか?

自分の読みのテンポを
変化させることができていると、

最初に読んだ時よりも
自然にテンポが変化して、
伝わりやすくなっているはずです。

うまく変化をつけられると、
1回やっただけでも
かなり大きな変化があります。

自分の中の決まりきった
読みのテンポがリセットされ

自由に読めるようになるのです。

高低の抑揚も以前よりついた!
という方も多いです。

自分の読みが面白くないなぁ、
と思っている方は、
ぜひお試しください。

まとめ

今回は
「読みにテンポがない
と言われた時の練習方法」

についてお話ししました。

緩急の差を強制的につける
この練習方法は、

なるべくゆっくりな部分と
速い部分に差が出た方が
効果的
です。

あなたの読みを
もっと自由にして、
伝わる読み方を手に入れましょう。

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S-R Labo主宰
松井 みどり

元フジテレビアナウンサー。退社後はナレーターとして活動する一方、舞台活動もスタートし、芝居、朗読、朗読劇などの舞台に年に10本ほど参加。2014年より教える仕事も続けている。

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