朗読の真骨頂!風景の描写シーンをどう読む?

こんにちは。
声と体で小説の世界を
生き生きと表現する舞台朗読研究所
S-R Labo 松井みどりです。

今回は
「風景の描写シーンの読み方」
についてお話します。

具体的に読む時に考えること

地の文の読み方については
以前、こちらの記事にも書いているので、
参考にしてください。

朗読の真骨頂と言いますか、
情景を臨場感たっぷりに読めると、

聴き手の想像力を刺激し、
一緒に物語の世界に
没入することができます。

それが朗読の楽しさのひとつですね。

そのためには、風景を
お客さまがリアルにイメージできる
読み方をすることが必要です。

どうしたら、そのような読み方が
できるのでしょうか?

読み手が情景をリアルに思い描く

王道の考え方としては、
読み手がその風景を
リアルに思い描ける
ことが
一番大切です。

例えば、こんな一節があります。

線路沿いの道は桜が満開だ。
咲いたとたんに花冷えの日が続いたせいか、
今年の桜はなかなか散らない。
花にうもれた見知らぬ世界に
歩みこんでいくような気がして、
鈴子は歩きながらシエと一緒に振り返った。
(「シエ」浅田次郎 文春文庫「姫椿」より)

このシーンは、
長年のパートナーだったスズという猫を
亡くした鈴子が、不思議なペットショップで
シエという伝説上の生き物と出会った帰り道。

鈴子の、シエと一緒に
ある種の不思議な世界へ
踏み込んでいく時の気持ち

美しく表現されています。

この話全体から考えると
また別の表現の話になるので、
今回は満開の桜という風景を
描写する
、という視点で考えます。

満開の桜並木
大抵の方はどこかで一度は
ご覧になったことがあると思います。

まずは、それを思い出してください。

花冷えの日が続いて、桜がなかなか
散らない、という状況も
想像できると思います。

見事な満開の桜を
自分がイメージする
ことで、
お客さまに伝えることができれば
それが一番です。

その風景を見た時の気持ちを思い出す

風景を自分で思い浮かべることは
本当に大切なことなのですが、

想い浮かべはするけど、
それがどう読みにつながるのか
わからないなぁ…

こんな風に思う方も
いらっしゃると思います。

風景を想い浮かべるだけで
そのシーンが伝わる読みができる方
は、

実はその風景を描写しているというより、
その風景を見た時のご自身の気持ちを
込めながら読むことができている
のです。

例えば先ほどの
「シエ」の例文で考えてみましょう。

以前、満開の見事な桜を
目の前にした時、
あなたは何を思いましたか?

「うわー、すごい!」
「見事ね~」
「きれいだ…」

このようなことを
思われたのではないでしょうか。

そうしたら、その気持ちで
この文章を読んでみる
のです。

何かを読む時に大切なのは、
登場人物や読み手がその風景を見て、
どのような気持ちでいるのか、

ということです。

ですから、ことさら風景の描写に
こだわり過ぎなくて良いのです。

その風景を見た時に
あなたが感じること
体の動きを再現できれば
お客さまに伝わります。

例えば満開の桜を見た時、
「すごい!」と思いながら
深呼吸をするかもしれません。

そうしたら、その深呼吸を
読みに取り入れてみるのです。

具体的に例で言うと、
「線路沿いの道は~」と
読み始める前に、イメージの中の
桜を見上げて深呼吸をします。

すると、お客さまは
読み手が何かに感動しているのが
伝わりますので、
その先を聴きたくなります。

読み手も深呼吸をすることで、
桜を見た時の感動を
呼び起こしやすくなります。

そうなると読み始めた時、
「なるほど。桜か…」
お客さまが感情移入しやすくなるのです。

感情の押し売りに気を付ける

その時、ひとつ考えていただきたいのが
感情の込め方の度合いです。

「感情を込めて読め」と
言っておきながら、どういうこと?

と思われるかもしません。

初心者の方
まずは大きく表現した方が
伝わることが多いので、
大きな表現を心がけてください。

経験者の方は、すでに大きな表現は
できていると思います。

そうなると、ここが朗読の
難しいところというか、
興味深く面白いところなのですが、

感情は込めてほしいのですが、
込め過ぎて感情の押し売り
ならないようにしてほしいのです。

心からその風景を見て
何かを感じていれば、
大げさに表現しなくても
伝わる
ものです。

でも表現が浅いと
本人はそう思っていても
お客さまには伝わらない…。

このあたりのバランスのとり方が
とても難しいのですが、

うまくバランスが取れれば
その方の個性とも相まって
とても魅力的な朗読に繋がります。

ご自身でいろいろ試しながら
読んでみてください。

まとめ

今回は
「風景の描写シーンの読み方」
についてお話しました。

情景を思い描き、
それを見ている時の気持ちで
読み進めることができると、

地の文を読むことが
とても楽しくなります。

朗読における
大きなポイントのひとつですので、
ぜひお試しください。

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S-R Labo主宰
松井 みどり

元フジテレビアナウンサー。退社後はナレーターとして活動する一方、舞台活動もスタートし、芝居、朗読、朗読劇などの舞台に年に10本ほど参加。2014年より教える仕事も続けている。

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