ただ無表情で座ってる?朗読劇で読んでいない時の居方

こんにちは。
声と体で小説の世界を
生き生きと表現する舞台朗読研究所
S-R Labo 松井みどりです。

今回は
「ただ無表情で座ってる?
朗読劇で読んでいない時の居方」

についてお話しします。

なぜ読んでいない時のことを考えるの?

朗読劇で自分がセリフや
地の文を読んでいる
時のことは、
このブログでも
いろいろ書いてきました。

今回は自分が読んでいない時に
どんな風に舞台の上にいたらいいのか、

ということについて
お伝えしたいと思います。

自分は読んでいないということは
ある意味仕事がないということなので、

舞台上でお休みをしている…
無になっているという方も
いらっしゃるでしょう。

だってお芝居でもないから
動くわけに行かないし、
何もできないじゃない?

確かにその通りですね。

でも「読んでいる人以外が全員
本に目を落としたまま
無表情でジッとしている…」

という舞台は、

果たして魅力的でしょうか?

もちろん、自分のことが
話題になっていない時や、
自分がそこにいないことになっている
など意味がある時は、

何もせずじっとしていても
構いません。
(出はけのない朗読劇の場合)

しかし自分はセリフを言っていないけれど
その場にいることになっているなら、
無になってしまうのは
もったいない
と思うのです。

お客さまは
舞台を聴くだけではなく
観てもいる
からです。

例えば3人で話している、
という状況の時に

話している1人以外の2人が
全くの無表情でその場にいたら
3人で話しているというイメージを
持ちやすいでしょうか?

話しているのは1人でも、
他の2人が話を聞いているという
体でいた方が、
圧倒的にイメージしやすいはずです。

なぜなら
視覚情報と聴覚情報が一致する
からです。

耳だけで聴く朗読は
聴覚情報のみ
なので、
視覚情報、つまり見え方は
考える必要はありません。

しかし舞台では
読み手の体が見えます。

そうなると人間は
目で見たものと耳で聴く音が
リンクしていた方が
理解しやすい
のです。

もちろん芸術的な舞台では
そうとも限らない例外は
たくさんあります。

しかしそういう明らかな意図なく
読んでいないからという理由で
ただ無の状態で舞台にいる
のが
もったいないと私は思うのです。

たまに朗読劇であっても
目をつぶって聴きたい
という方が
いらっしゃいます。

楽しみ方は人それぞれなので
それは全く構わないのですが、

その方にとってはやはり
視覚情報と聴覚情報が
リンクしていない
から

頭の中で
イメージしやすくするために、
そういう方法を
とっているのでしょう。

どんな形式の朗読劇でも、
特に演出の意図がなければ
ぜひ自然に舞台の上にいるためには
どうしたらいいか

お客さまに頭の中で
イメージしていただきやすくするには
どうしたらいいか
を考えてみてください。

自分が読んでいない時に考えたいこと

では具体的に
どんなことに気を付けていればいいのか、
そのヒントを3つお伝えします。

そこにいる体を探す

あなたの役の人物は、
そこにどんな体の状態で
いるのでしょうか?

焦っていますか?
落ち着いていますか?
怒っていますか?
楽しんでいますか?

まずはそこを明確にしましょう。

その団体やシーンによって
互いに顔を見ながら芝居のように
セリフを言い合うか、

前を向いてお客さまに
顔を見せたままセリフを言うかの
違いはありますが、

どちらの場合でも
あなたの役の人物が感じている
感情を、あなたも感じてください。

朗読劇は舞台朗読的には
明確に演劇
だと思います。

あなたの役の人物は
セリフを言っている時だけ
怒っているわけではありませんね?

セリフを言っていなくても
そこにいる時には
いろいろな感情を持っている
はずです。

それを再現しようと
チャレンジしてみてください。

簡単なことではありませんが、
やろうとするだけで
あなたの役の人物が
生き生きしてきます。

あなたも彼(彼女)と一緒に
同じ時間を生きるのです。

読んでいる人の言葉に反応する

そこにどんな気持ちでいるのかを
つかむことができたら、
次に今話している人の言葉に
反応してみてください。

例えば最初は楽しい気持ちで
そこにいたけれど、
ある人の言葉で急に怒り出す、
ということもあります。

セリフを怒ったように言うことは
少し練習するとできますが、
なるべく本当にその人の言葉に
怒りたい
のです。

その方がリアルな感情となり、
お客さまにより自然なやり取りを
お見せできるからです。

その方がお客さまが
頭の中でイメージしやすい
のです。

そのためには、
セリフを言っている人の言葉を
よく聞いて、
それに反応する
必要があります。

その時にポイントになるのが
他の人のセリフを何度も読んでおく
ということです。

もしかしたら
自分のセリフを読むよりも大切
かもしれません。

朗読劇で人の話を聞くためには
あらかじめ他の人のセリフを読んでおき、

そのセリフのどこにどう反応して
自分の感情が動くのかを
知っておく必要がある
からです。

その上で相手の話を聞き、
それに反応するのです。

「自分が怒るのはどこだっけ?」
と台本を見てしまうと
リアルさが減ってしまいます。

自分が読んでいない時は
できるだけ相手と話すイメージを
体現しながら顔を上げておいて、

自分のセリフを読む時に
自然に台本に目を落とす
ことができると、

本を持っていることが全く気にならない
舞台になります。

動き過ぎない

相手に反応しよう!と思うと、
つい動き過ぎてしまう
ということが起こります。

ここがとても難しいのですが、
朗読劇においてセリフは
とても大切
です。

自分がセリフを
言わない時に動き過ぎると、
今話している人のセリフが
入ってこなくなります。

ですからそこにいる体を探し、
相手の言葉を聞きながらも
あまり大きく動かない方が、
一般的な朗読劇には向いています。

表現をする時には
まずは大きく、オーバーに表現する
ということを学びます。

次に、そういう気持ちさえあれば
大きく動かなくても
人の気持ちの動きは伝わる
ということを
学ぶことが必要です。

ここで話しているのは
その段階の話です。

ぜひそこを目指して
取り組んでみてください。

まとめ

今回は
「ただ無表情で座ってる?
朗読劇で読んでいない時の居方」

についてお話ししました。

今回の内容は
初心者の方には少し
難しかったかもしれません。

でも今すぐできなくても、
そういうところを目指したいと
思って進んでいく
だけで
得られることは変わってきます。

お客さまが観ていて楽しい、
イメージしやすい朗読劇を
一緒に作っていきましょう!

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S-R Labo主宰
松井 みどり

元フジテレビアナウンサー。退社後はナレーターとして活動する一方、舞台活動もスタートし、芝居、朗読、朗読劇などの舞台に年に10本ほど参加。2014年より教える仕事も続けている。

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