こんにちは!
「小説を演じる小説劇研究所」
S-Rラボ 松井みどりです。
朗読をしていて…
どうしたら人が会話しているように見えるんだろう…
と思ったことはありませんか?
小説劇の要素のひとつとして
「顔をふる」という動きがあります。
これができるようになると
表現がとても立体的になります。
今回は会話部分を読む時に必要な
「顔をふる」ということについて
お伝えします!
イメージは落語家さんの動き
落語家さんは
ひとりで何人もの人を
演じ分けます。
男性でも女性でも、
おじいちゃんおばあちゃんから
若者、子どもと自由自在!
実際、
本当にそう見えるから
素晴らしい芸だと思います。
その人物たちが会話をする時、
落語家さんが
顔を左右にふって話していますね。
舞台朗読の顔のふり方は
それを模したものです。
あんな風に
2人で会話をする時に
左右に顔をふります。
そして
右を向いている人はAさん、
左を向いている人はBさん
というように演じ分けるのです。
上下(かみしも)のつけ方
上手、下手とは
そう言えば、上手、下手って聞いたことがあるけどどういう意味なの?
舞台用語で、人や物の位置を表す言葉です。
あなたが舞台に立っているとします。
その時あなたの左側を上手(かみて)、
右側を下手(しもて)と呼びます。
お客さまから見ると逆なので
舞台に向かって右側が上手、
左側が下手になります。
これは舞台関係の仕事をする
業界では共通で
「もうちょっと上手に立って」
「下手に椅子を置いて」
などと使用します。
小説劇での使い方
小説劇ではどう使うの?
顔をふる時、人物がどちらに立っているのかイメージする時に使います。
基本的に
エラい人は上手に立ちます。
講演会に行くと、
司会者は必ず舞台に向かって
左側にいませんか?
登壇する人が何人かいて
舞台上にいる場合、
右手奥に座っていることが
多いはずです。
これは登壇する人が
司会者より上に位置するからです。
舞台朗読する時も
これをイメージしてみましょう。
つまり
目上の人が左に、
目下の人が右に立っているとして、
右を向いて話すがの目上の人、
左を向いて話すのが目下の人
ということになります。
ただし、これは原則です。
順にお伝えしますが、
必ずそうしなければいけない
というわけではありません。
注意すること
顔をふり過ぎない
初心者の方に多いのが
顔をふり過ぎてしまうことです。
頑張って上下をつけるのは
良いのですが、
あまり大きくふり過ぎると
会話をしているように見えません。
自分を真ん中にして
左右に20度くらいの範囲で
十分です。
姿勢を良くし過ぎない
姿勢よく本を持ったままだと
セリフを言う人の体になれません。
その人はどんな状態でいるのかを考え、
なるべく話している人の体になりましょう。
例えば
何かをお願いするなら前のめりでしょうし、
怒られているなら背中は丸いでしょう。
その人のその時の体に
なるべく近い体で読むことが大切です。
そのためには
あなたの体が固まっていては
難しいですね。
まずは自分の自然なポジションを
探してみましょう。
話し手が3人以上になった場合
2人の場合はわかりやすいのですが、
作品によっては
3人以上が同時に会話を
することもあります。
顔のふり方については
上下以外は特に決まりはありません。
作品によってしっくりする方法を
選びましょう。
例えば、正面で話す人を作るとか、
メインで話す人の向きを決め、
他の人は反対から話すようにする
などの方法が考えられますね。
実際には顔の向きだけでなく
その人を演じることで
変化をつけていきますから、
上下だけで人を切り替えることに
厳密になり過ぎなくても大丈夫です。
誰が目上かわからない場合
作品によっては
年齢が同じだったりして
誰が目上になるのか
わからない場合もありますね。
こういう時も
厳密に考える必要はありません。
私なら
メインになりそうな人を
上手にするかもしれませんが、
決まりはありません。
なんとなくしっくりする…
という方で選んでもらって
大丈夫です。
登場人物の立ち位置が変わる場合
例えば
AさんとBさんが話している時、
Aさんが目上だったとします。
そうなると
Aさんが上手、Bさんが下手
ということになりますね?
ところがその後Cさんが登場して
Aさんと話すのですが、
Cさんの方が目上だった…
ということもあります。
こういう場合も
明確な決まりはありません。
AさんBさんで話している時は
Aさんは上手、
AさんCさんで話している時は
Aさんは下手、
としてもいいですし、
最初からAさんをずっと
下手に置くこともできます。
もちろん、
Aさんをずっと上手に
置いておくこともできます。
これは作品の中での
それぞれのポジションや、
どのくらい登場するのかなどによって
違ってきます。
大切なのは
「わかりやすい」ということです。
お客さまから見て
わかりやすい配置を考えましょう。
まとめ
今回は小説劇で大切な
顔のふり方についてまとめてみました。
きちんとまとめるとこうなりますが、
どちらの人を上に置くか、
下に置くか、ということについては
あまり考え過ぎず、
自分でやりやすい方でも
いいと思います。
それよりも、小さな動きでも
きちんと顔(体)を振り分け、
人が会話をしていると
わかってもらう方が大切です。
顔を自然にふるのは
意外と難しいものです。
何度も練習して
自然に人が会話をしているよう
お客さまにイメージしてもらえる
顔のふり方をマスターしましょう!
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