とにかく何でも聴いてみましょう!人の発表を聴く時のポイント

Mido Labo vol.17「嗤う伊右衛門」稽古風景(来春開催予定)

こんにちは。
声と体で小説の世界を
生き生きと表現する舞台朗読研究所
S-R Labo 松井みどりです。

今回は
「人の発表を聴く時のポイント」
についてお話します。

人の発表を聴くことが重要な理由

朗読を勉強しているという方は、
いろいろな朗読会
いらっしゃることも多いと思います。

ご自分の好きな朗読家や、
大好きな先輩、先生の発表、
最近は芸能人の方の朗読も
多く聴くことができるようになりました。

以前もお話しましたが、
自分が思う通りに読むためには、
たくさんの朗読を聴いて、
自分の耳を育てることが大切
です。

いろいろな表現に触れ、
その違いを耳できちんと
感じ取る
ためには、

まずいろいろな音、
読み方に触れる
ことが
とても大切なのです。

人の発表を聴く時のポイント

それでは、人の発表を聴く時、
どのような聴き方をすれば
よいのでしょうか?

全体の印象を確認する

まずは全体の印象
確認しましょう。

その方がどんな物語を、
どんな風に表現しようと
しているのか

つかんでください。

本から目を離さず、
ひと言ずつ大切にして
読もうとしているのか、

動きを加えて、
面白く読もうとしているのか、

落語や芝居のように
暗記して語ろうとしているのか…。

ひと口に朗読と言っても、
いろいろな表現の方法があります。

その中で、
どんな方法で
読もうとしているのか

まず把握しましょう。

どんな読み方をしているのか

次に、読み方
目を(耳を)向けます。

言葉を忠実にお客さまに
渡している読み方。

自分の解釈を入れて
演出しながらの読み方。

テンポも
噛みしめるように
ひと言ずつ読むのか、

ノリ良く
音楽のように伝えるのか。

音の高さも、
大きく変化をつけるか
狭い幅の中で安定して
伝えようとしているのか。

間の取り方も
物語によって、場面によって
解釈の仕方は人それぞれです。

どんな音で読んでいるのか
心の中でシャドーイング
してみるのも楽しいですよ。

物語をどうとらえているのか

読み手の感動ポイント
どこにあるのかを
共有しましょう。

読み手は必ず
聴き手に伝えたいもの
(場面や感情)があり、

そこを伝えるために
いろいろな工夫をします。
ぜひそこを聴き取ってみましょう。

自分と同じこともありますが、
違うことも結構あります。

同じ物語を読んでも
読む人によって違うので、
聴いていて楽しいところです。

そして、一番大切なのは…

いろいろ書いてきましたが、
一番大切なのは、読み手と一緒に
物語の世界を楽しむ
ということです。

いろいろな朗読を
分析だけしながら聴く方も
いらっしゃいます。

もちろん聴き方なんて
人それぞれですから、
こうしなければならないということは
ありません。

朗読は、見ていれば(聴いていれば)
受け身のままいろいろな世界に
連れて行ってもらえる、

という表現ではありません。

聴き手も読み手と一緒に
物語の世界を
想像しながら作り上げること
楽しさがあります。

そこには自分の過去の経験
色濃く反映されるので、
同じ物語を聴いても
感じ方が違う…。

朗読を聴くのが好き、
という方は、
この知的な遊び
楽しめる方だと思います。

だから、客観的に
外から分析しているだけでは
物語を楽しんだり、読み手を
理解することはできません。

ぜひ読み手と一緒に
物語の世界に入り込みましょう。

どうしても読み方に納得がいかない時

とは言っても、

「あの人の読み方はどうなの…?」
「ちょっと違うんじゃないの?」

と思うこともあるでしょう。

人間ですからね、
やっぱりそういうことも
あると思います。

そういう時は、
その読み手のどういう読み方に
自分は引っかかってしまうのか、

深掘りして考えてみましょう。

大体そういう時は、
自分が大切に思っていることが
大事にされていない時…

つまり、
自分は「してはいけない」
と思ってきたことを、
読み手がしている時
だと思います。

この、
「ちょっとザワザワする」
という感覚、大事にしましょう。

自分の価値観がわかります。

「なるほど、自分は
こういうところが大事だと
思っているんだ」

ということが分かるだけで
十分その朗読を
聴いた意味があります。

そこを理解した上で、ぜひ
「表現には様々な方法がある」
ということを
忘れずにいてください。

自分の想い、考えを持つことは
とても大切ですが、
批判してしまうと
そこより先へ行けなくなります。

人の朗読を聴くと
本当にいろいろな発見があります。

奥深い「表現」という道を
進むために必要な
自分の見方、引き出し
増やすために、

自分の好きな読み方の人や
自分がいいと思う人だけでなく、

とにかくいろいろな朗読を
聴いた方がいい
一番の理由は
そこにあると、私は思います。

まとめ

今回は
「人の発表を聴く時のポイント」
についてお話しました。

人の発表は、その方の良いポイント
見ながら聴いてみましょう。

どこが良かったか、具体的に
例を挙げて伝えられるということは、
ご自分の耳が違いをきちんと
聴き取れている
こということです。

人の発表を聴くことは、
自分にとっても大きなチャンスです。

金子みすゞさんが言うように、
「みんなちがって みんないい」
のです。

心にそういう余裕があれば、
すべての人の発表は自分にとって、
とても勉強になります。

そして一緒に物語の世界を楽しむ、
またとない楽しい時間になるのです。

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S-R Labo主宰
松井 みどり

元フジテレビアナウンサー。退社後はナレーターとして活動する一方、舞台活動もスタートし、芝居、朗読、朗読劇などの舞台に年に10本ほど参加。2014年より教える仕事も続けている。

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