あなたのままでいいんです!高い声、低い声がコンプレックスの人へ

こんにちは。
声と体で小説の世界を
生き生きと表現する舞台朗読研究所
S-R Labo 松井みどりです。

今回は
「高い声、低い声が
コンプレックスの人へ」

についてお話します。

コンプレックスはひとそれぞれ

「声が高すぎて説得力がありません」
「低くて可愛げがない声なんです」

自分の声に対して
コンプレックスを持っている
方は
少なくありません。

人から見たらどんなに良い声でも、
ご本人は気になってしまう…。

今回は「声が高い」「声が低い」
ということでコンプレックスを
感じてしまう方に向けて、

舞台朗読をする上で
大切だと思うこと
を書いてみました。

高い声がコンプレックスの人

まずは「声が高くてイヤ」
という方です。

実は私も、自分の高い声が
あまり好きではありません。

最近は年齢とともに
だんだん低くなってはいますが、
やはりアルトの豊かな声の方に
憧れがあります。

さて、高い声の
メリット、デメリット
って
どんなものなのでしょう?

高い声のメリット

・声がよく通る
・マイク乗りがいい
・明るく聞こえる
・若者の声を出しやすい

高い声のデメリット

・長く聞いていると疲れると言われる
・興奮すると声が上ずる
・ゆったりした読みが苦手
・声を作っていると言われる

私の場合は、

声が直線的なので
柔らかく読もうとすると
気持ちが悪い感じになる…」

ということが、
長年の悩みでした。

あとは、

「読もうとすると
声を作ってしまうスイッチがあり、
声をしっかり出さないと
読んだ気がしない」

ということから、
低い音が出づらくて
語尾が下がらず

機械的な読みになったり…

何を読んでも
同じようなテイストになってしまう

というのも、典型的な
高い声を持つ方のお悩みです。

男性で声が高い方は
「説得力がないと言われる」
という方も多いですね。

高い声をうまく使うために

高い声で悩んでいる方は、
ぜひ低い音をうまく使うことを
考えてみてください。

確かに高い声は
注意喚起などには良いのですが、
長く聞いていると
疲れる
こともあります。

そういう人の声は、
大体ずっと高いところにあります。
低い音が使えていないのです。

注意するポイントは
文末です。

文末を、今までより
一段階低くしてみてください。

貴志は迷わず立ち上がった

という文章があったとします。
この時、

た    よわ  ちあがった
 かしはま  ずた

ではなく、

た    よわ
 かしはま   
       ず ちあがった
        た

と読んでほしいのです。
これにより、ご覧の通り
音域の幅がぐっと広がり、
豊かな表現ができるようになります。

また文末の音が前半部分より
下がることによって、
力が抜けて落ち着いた感じ
表現することができます。

これによって
説得力も高まります。

また高い声に時折
低い声が混じることで、
ずっと高いという状態がなくなるため、
とても聴きやすくなります。

また低い音は体の力を
抜かないとうまく出ません。
ですから、声を作らずに読む
良い練習
にもなるのです。

ただ、注意してほしいことが
ひとつあります。
それは…

高い音をちゃんと使ってください

ということです。

音が高くなることを
恐れるあまり、
低い音だけで読もうとする方
いらっしゃいます。

これでは全体的に暗くなってしまい、
抑揚もつかない
ので
伝わりません。

大切なのは抑揚です。
高い音があっての低い音ですので、
高い音も自信を持って
出してください。

低い声がコンプレックスの人

逆に低い声がコンプレックスです、
という方もいらっしゃいますね。

男性の場合、低い声は
良い声だと言われますが、
音に幅があり過ぎて、
一音がぼやけてしまうこともあります。

また表現がいつも同じになる
というお悩みもありますね。

女性の場合は、長らく
高くてよく通る声が良い声だ、
という価値観があったために、

低い声を女性らしくない
と思っていらっしゃる方も
お見受けします。

それでは低い声の
メリット・デメリット

まとめてみましょう。

低い声のメリット

・落ち着いていて安心感がある
・声だけでわかると言われる
・柔らかい響きが心地よい
・年配者の声を出しやすい

低い声のデメリット

・女性らしくないと言われる
・ずっと聴いていると眠くなる
・いち音がシャープにでない
・声質を変化させるのが難しい

低い声の方で
コンプレックスを感じている方は、
女性に多い気がします。

男性はむしろ、声に
自信を持っている方が多いですね。

声が通らない、可愛くない、
声質がなかなか変化しない、

というようなことを
よくお聞きします。

それでは舞台朗読をする時、
そういう方はどんなことに
気をつけたらよいでしょう?

低い声をうまく使うために

低い声の方は
高い声の方と逆に、
高い音をうまく使いましょう。

一文の中で大切な言葉、
強調したい部分の音を
思っているより高くするのです。

貴志はどうしてもそこへ行きたかった

こういう文章があったとします。

前後は分かりませんが、
やはり「どうしても」というところを
強調したくなります。

その時、普通だったら

た   どうして          
 かしは    も こへいきた
         そ     かった

と読んでいると思います。
これを…

    どうして
た       も 
 かしは       こへいきた
         そ      かった

こんな風に
読んでいただきたいのです。

ポイントは「どうしても」
音の高さを、
「たかしは」よりはっきりと
上げる
ことです。

低い声は安定していますが、
インパクトに欠けることがあります。

そのインパクトを
意識して作る
ことで
聴く方にひっかかりを与え、
自ら聴きにきてもらうのです。

あなたの声を大事にしてください

さて、ここまで読んでいただけば
お分かりと思いますが、
結局大切なのは
適切な抑揚をつけることです。

声が高い方は低い音を、
低い方は高い音を意識すれば、
音域を広く使って
豊かな表現ができます。

高音が素敵なあの声優さんも、
低音が心地よいあのナレーターさんも、
実はものすごく広い音域を使って
表現していらっしゃるのです。

少し意識しただけで
全体のイメージは変わりませんが、
確実に聴きやすくなりますので
ぜひお試しください。

読む時のテクニックからお伝えすると
こういうことになるのですが、
最後にひとつだけ、特に
お伝えしたいことがあります。

それは、あなたの声は
あなたらしさを表現する
唯一無二の神様からのギフトだ

ということです。

声が似ている人はいます。
でも、全く同じということは
まずありません。

あなたの物語は、
あなたがあなたの声で読むから
伝わる
のです。

いわゆる美声という方の読みが、
キレイだけどね…で
終わってしまうことがあります。

あなたが「この物語を伝えたい」
と思い、稽古をして読んだ時に、
物語はあなたの物語になります。

そしてあなたの物語を聴いた方は
それをさらに自分の中で再構築して、
自分の話として聴いてくれる
のです。

そのためには他の誰かの声じゃなく、
あなたの声で自信を持って伝えることが
一番大切なのです。

まとめ

今回は
「高い声、低い声が
コンプレックスの人へ」

についてお話しました。

こういう活動をしていると、
声のお悩みを聞くことは
よくあります。

でもたいていの場合、私が聞くと、
ご本人が思っているほど
聴きづらい声であることはない
のです。

世界でひとつだけのあなたの声
ぜひ大切にしてください。
そして、その声を生かした読み
していきましょう。

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S-R Labo主宰
松井 みどり

元フジテレビアナウンサー。退社後はナレーターとして活動する一方、舞台活動もスタートし、芝居、朗読、朗読劇などの舞台に年に10本ほど参加。2014年より教える仕事も続けている。

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