こんにちは!
「小説を演じる小説劇研究所」
S-Rラボ 松井みどりです。
今回は、
「本番で朗読する時に
一番大切にしたいこと」について
お話します。
朗読する時に一番大切にしたいこと
もういきなり答えを
言ってしまいますが、
私は朗読する時に
一番大切にしたいことは
「自分の声を聴くこと」
だと思っています。
私は、
こんな風に考えているのです…。
稽古と同じじゃもったいない!?
朗読教室に
通っていらっしゃる方は、
発表会前には
熱心に稽古されると思います。
読み方、アクセント、
抑揚、感情の込め方…
一生懸命練習して
本番に臨まれていると思います。
もちろん、稽古することは
本当に大切なことです。
しかし私には考え方として、
「稽古と全く同じことをするのが
本当に聴き手の心に届く
朗読になるんだろうか…」
という思いがあります。
本番では練習以上のことはできない、
というのも真実だと思いますし、
練習と同じことをすればよい、
という考え方にもうなずけます。
それぞれ、その通りだと
思うのですが、
それでもやっぱり
私は生(なま)の時間を生きたい、
と強く思ってしまいます。
生の時間を生きる
「生の時間を生きる」って、
どういうことでしょう?
それは、物語の中に入り、
そこで読む自分の声を聴き、
その声に心を動かされて
出てくる感情を大切にする、
ということです。
練習した時と全く同じことを
再現するということは、
ある程度の力がつけば
できることです。
でも、それでは
本番で初めて感じた
心の動きに対応できません。
こういうことって、
結構あるのです。
私レベルでは
しょっちゅうです。
「なんで今まで
こんな基本的なことに
気づかなかったんだろう…」
と、愕然とすることも
よくあります。
それだけ本番では、
稽古の時よりも気持ちが高まり、
集中力が増すということ
なのだと思います。
さらにお客さまの反応に
無意識に影響を受けます。
そういう時に柔軟に、
初めて感じたその感情を
大切に表現するためには、
稽古でやった通りに、
ということにこだわり過ぎていては
もったいないんじゃないかと
思ってしまいます。
では、そういう変化をうまく感じて
自分の表現に取り入れていくには
どうしたらいいのでしょう?
「自分の声を聴く」ということ
ここで出てくるのが、
「自分の声を聴く」
ということです。
自分の声なんて、
普通に聴けてるよ!
と思うかもしれません。
自分の声を聴くということは、
「聴いて、反応する」
というところを含めてのことです。
芝居は相手がいます。
ですから、相手のセリフをもらって
それに反応していく、
ということができます。
でも朗読はひとりです。
自分で自分を刺激し続け、
それに反応し続けなければ
いけません。
それができた時、初めて
「自分の声が聴ける」
ということになります。
具体的には、
何かの拍子に
いつもと違う音や表現が
自分から出た時に、
それに対応して
また違った音や表現で反応する、
ということですね。
こういうことができると
その時、その瞬間に
その物語の生の時間を生きられます。
舞台朗読が好きな理由
私はその生の時間を生きること、
生きている人を観ることが
とても好きなんです。
だから、舞台で、人前での
朗読が好きなんですよね。
収録して聴いていただく朗読も
面白いですし、
実際に配信も行っています。
でも本当は…
やっぱりこの生感覚が
いいんですよねぇ~。
だから、ちょっとくらい噛んだって、
読み間違えたって、
そんなことはどうでもいいんです!
「あ、今この人、
この物語の中にいる!」
と、感じられること。
これが私の朗読を観る(聴く)時の
最高の楽しみです。
まとめ
今回は
「本番で朗読する時に
一番大切なこと」について
お話ししました。
本番は緊張しますよね。
でも、1回の本番は100回の稽古より
価値がある、というのは
こういう経験ができるからだと思います。
自分の声をしっかり聴いて、
その瞬間にしか到達できない
物語の世界を楽しみましょう。
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