朗読したい作家・作品「森浩美」最後に光が見える読後感が抜群!

こんにちは!
「小説を演じる小説劇研究所」
S-Rラボ 松井みどりです。

このサイトでは
読んでみたい作家さんや作品
ご紹介していきます!

今回は「森浩美」さんです。

森浩美さんとは?

森さんとの出会いについては
以前このブログでも書いています。

https://stagereading-labo.com/history/

ざっくり言うと、
自分で主催した朗読会で
森さんの作品の許諾をいただくために
ご連絡したことがきっかけで、
その後「家族草子」という
森さんご自身が主宰するユニットが
誕生した、という流れがあり、
親しくさせていただいています。

現在生きていらっしゃる
(変な言い方ですね…)作家さんで、
私が一番読んでいる方です。

森浩美さんは
放送作家としてキャリアをスタートさせ、
その後作詞家となって大成功!

SMAPの「SHAKE!」「青いイナズマ」
田原俊彦さんの「抱きしめてTONIGHT」
荻野目洋子さんの
「DANCE BEATは夜明けまで」などなど
数多くのミリオンセラー
作詞していらっしゃいます。

その森さんがお母様に
「お前の詩は何を言っているのか
わからない」
と言われ、
じゃあ母親にもわかるものを…
ということで
小説を書き始めたんだそうです。

そう思ってすぐ書けるのが
本当にすごいですよね…。

森作品の魅力

読後感が抜群に良い!

まずはこれだと思います!

森さんの作品はどんな作品も、
必ず最後に光が見えるのです。

もちろん作品によっては
完全な解決にならないものも
あります。

しかし下ばかり向いていた人が
ちょっと上を見て歩いてみようかな
レベルにはなるんです。

そこが安心して読めるところであり、
朗読に向いている作品だと
私が思う一番のポイントです。

森さんご自身はこの件について、

「こんな世知辛い世の中、
小説の中くらい甘くても
いいじゃないか」

と、おっしゃっています。
辛い現実を生きていくために
「小さな希望」は
必ず必要なんだ、という
森さんのメッセージです。

誰でも共感できる

これも森作品の大きな魅力です。

森さんの作品は
「家族」を題材にして書かれた
「家族小説」です。

ですから、本当に
人々の共感を呼びやすいのです。

「家族」のいない人はいません。

今はもう近くには
いないかもしれないけれど、
この世に生を受けたということは
誰にでも
必ず「家族」はいるのです。

だからこそ、
どの話も登場人物の
誰かに感情移入することができます。

そうやって聞いていける物語は、
耳が情報源となる朗読にとって
とても合っているのです。

わかりやすい文章

森さんは放送作家からスタートし
作詞家として成功した方なので、
やはり言葉の選び方が素敵です。

一文が程よく短く、
わかりやすい言葉で書いてあるのに
グッと来てしまう…。

これも朗読にピッタリくる
理由のひとつだと思います。

飾らない、自然なセリフに
ハッとする…。

この言葉のチョイスも
楽しんでいただければと
思います。

おススメの作品

「想い出バトン」

まずは角川文庫「ほのかなひかり」
に収蔵されている
「想い出バトン」です。

この作品は、
私が森さんと出会うきっかけとなった
私にとっては大切な作品です。

婚約者との結婚を
父親に認めてほしい茜は
母親といろいろ画策しますが、
頑固な父は、なかなかちゃんと
婚約者と話をしてくれません。

しかし父親には父親の想いがあり、
最後にそれを知る茜…。

この最後の父親のセリフ
いいんですよね~!
淡々と話しているのですが、
娘を思う父親の気持ちに
グッときます。

一度に家族4人が話すシーンがあり、
舞台朗読としても
チャレンジしがいのある作品ですよ。

「シッポの娘」

続いては角川文庫「こころのつづき」
に収蔵されている
「シッポの娘」です。

主人公は父親です。
娘がどうしても飼いたいというので
押し切られる格好で
犬を飼い始めた盛田家。

犬を飼う楽しみを
存分に味わっていた家族でしたが、
あるとんでもない事件が起こります…。

この話は、
ペットを飼ったことのある人なら
きっと涙なしには読めないと思います。

自分を100%信じて慕ってくれる
かわいいペット。
その子を巡って、家族も一緒に
成長していきます。

最後に盛田にかける
小料理屋の女将さんのセリフが
素晴らしい!

舞台朗読的には
涙をどう処理するか…という課題への
チャレンジにもなります。

ちなみに、この本の解説は
大変おこがましいのですが
「森作品朗読のススメ」ということで
私が書かせていただきました…。

「いちばん新しい思い出」

もうひとつ
双葉文庫「小さな理由」
収蔵されている
「いちばん新しい思い出」
ご紹介します。

この話も主人公は父親。
15年前に離婚してから
一度も会っていない娘から
突然電話が来て、
会いたいと言われます。

突然の再会に戸惑う父親。
しかしそこには
娘の深い思いがありました…。

この作品も何度か
舞台朗読させていただきましたが、
会場全体がひとつになる感覚
ひしひしと感じられる作品です。

必死に自分の気持ちを伝える娘。
それを知った父親の気持ち…。

今思い出しただけでも
ウルッと来ちゃうんですよね。

ほぼ父と娘の会話なので
ある意味朗読に向いていますが、
父親の感情をどんな風に表すか、
そしてラストまでどう持って行くか、

これまたチャレンジのしがいのある
作品です。

まとめ

今回は朗読したい作家・作品ということで
森浩美さんをご紹介しました。

あ、ちなみに森さんは男性です。
名前からだと女性と勘違いしますよね。

森さんは、
ご自身の作品を朗読や朗読劇で
発表されることに
とても理解がある方
です。

もちろん許諾は必要ですが、
相談に乗ってくださると思います。

また「家族草子」
朗読劇スタイルの公演を行うため、
森さんご自身が
戯曲として脚色した台本
販売しています。

ご興味ある方はHPから
お問い合わせください。

https://www.kazokuzoushi.com/

森さんの作品は「家族小説」として
着実にファンを増やしています。
また中学校や高校の受験にも
使用されているそうです。

この他にも
ご紹介したい作品が
本当にたくさんあります!
ぜひ一度手に取って
読んでみてください。

コメント

  1. […] […]

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