ポイントは横隔膜!芯のある滑舌のいい声を「歌トレ」で手に入れる方法

こんにちは。
声と体で小説の世界を
生き生きと表現する舞台朗読研究所
S-R Labo 松井みどりです。

今回は『芯のある滑舌のいい声を、
「歌トレ」で手に入れる方法』
について
お話しします。

「歌トレ」のやり方

発声をする時、
横隔膜がとても大切だというお話は
以前からしています。

そこから知りたい!という方は
こちらの記事も参考にしてください。

一般的にはドギーブレス
本当にオススメです。
声に不安がある方は、
ぜひ3週間やってみてください。

こちらのトレーニングも
人気です。
興味のある方はご覧ください。

でもいつも同じトレーニングでは
飽きてしまいますよね?
そういう時にぴったりの、楽しい
歌を使ったトレーニングをご紹介します。

これはやり方さえ覚えてしまえば、
どんな歌でもできますよ。

具体的な方法

今回は皆さんがご存知で、
1番が短い「うみ」を
例にとってお伝えします。

うみは ひろいな
おおきいな
つきは のぼるし
ひはしずむ

この歌を「歌トレ」で
横隔膜をトレーニングしながら
読んでみましょう。

集中するのは
一音ずつ発声する時に、
体中の息を一瞬で吐き切る

いうことです。

座ってもできますが、
最初は立った方がやりやすいです。

心配な方は、
椅子の背もたれや壁など、
すぐにつかまれるものの近く
やりましょう。

まず最初の「うみは」の
「う」と発声しながら、
体の中の息を吐き切ります。

この時ゆっくり吐いてしまうと
歌になりません。
なるべく一瞬でパッと
息を吐き切りましょう。

慣れないうちは、テンポは
ゆっくりやってください。

吐き切ったら、
体の力を緩めましょう。

すると自然に
息が体の中に入ってきます。

そうしたら次の
「み」を発声しながら、
同じように息を
一瞬で吐き切ります。

吐き切ったら力を緩めると
息が自然に入ってきます。

八分音符になるところは、
なるべく速く
息を吐き切ってください。

「う」「み」「は」までは
四分音符ですが、
「ひ」「ろ」は少し
速くなりますよね?

それが八分音符の部分です。

「うみは」までよりも
速く息を吐こうとしてください。
すると、そこまでより息を速く、
強く出さないといけませんね。

また「おおきいな」の部分は
「お」「お」が八分音符
「き」「い」が四分音符
「な」は二分音符です。

二分音符の時は、
二拍分、しっかり息を
吐き切ってください。

体中から息を絞り出す
気持ちでできると
横隔膜をうまく刺激できます。

この方法で「うみ」の1番を
最後まで歌ってみてください。
24個の文字を使っているので、
24回トレーニングができます。

確認するポイント

一音ずつ
体中の息を吐いている時は
横隔膜を上にあげて
肺を縮めています。

その時外から見ると、
お腹がペコンとへこみます。

体の力を緩めると
横隔膜も力が抜けて
すとんと下に下がります。

すると肺が広がり、
空気が体の中に
入ってきます。

その時外から見ると、
お腹がパンとふくらみます。

歌いながら、自分のお腹が
声を出す時にへこみ、
息を吸う時にふくらんでいる

ことを確認してください。

意識するのは「吐く」だけです。
「吸う」は意識しなくても
きちんと吐いた後に力を緩めれば
自然に吸えます。

注意点

最後まで歌い切ることは
できましたか?

ものすごく息が上がって、
疲れませんか?
また、お腹が痛くなった!
という方もいらっしゃるでしょう。

そうなった方は大正解!
うまく横隔膜を
トレーニングできています。

途中で苦しくなって
息継ぎをしてしまった方は、

実際には一音ずつ
音を止めているだけで、
息を吐けていません。

吸ったり吐いたり
しているのですから、

理論的には永久に
歌い続けることが
できるはずです。

ゆっくりでいいので、
お腹が少し痛くなるくらい
息を吐き切る練習
から
始めましょう。

またクラクラしてしまった
という方も
いらっしゃるかもしれません。

そういう方は無理をせず、
途中で終わってください。

数回やっただけでも
全く横隔膜を動かしていない
方にとっては、
かなり負荷がかかるからです。

他の歌への応用

こうやって歌うことで、
普段あまり使っていない
横隔膜に刺激を与えることができ、

筋トレのように
少しずつ楽にできるように
なっていきます。

1回やって「キツかった!」
という方は、
もう1回だけやってみてください。

1回目よりも少し楽に
できるはずです。

筋トレと同じように、
やればやるだけ
少しずつ横隔膜が
動くようになります。

すると声が安定し、
滑舌も良くなります。

また同じやり方で
自分の好きな歌
歌ってみてください。

余裕がある方は
少しアップテンポな曲を選ぶと、
横隔膜にさらに刺激を
与えることができます。

おススメは星野源の「恋」
ドラマ「逃げるは恥だが
役に立つ」の主題歌です。

独特のダンスと共に
有名になりましたね。

あの歌のサビの部分
「歌トレ」で歌ってみましょう。

もちろんあんなに
速いテンポでなくて大丈夫です。
倍以上のゆっくりテンポ
歌ってみましょう。

一音ずつあのサビを歌うのは
とても良いトレーニングです。
余裕のある方はぜひ
チャレンジしてみてください。

まとめ

今回は『芯のある滑舌のいい声を、
「歌トレ」で手に入れる方法』
について
お話ししました。

「歌トレ」なので
声を出すトレーニングですが、
実は声を出さなくてもできます。

声を出したつもりで
囁くようなウィスパーボイス
歌ってみてください。

これならご自宅でも
十分できますね。

また全く声を出さずに
リズムだけ歌と同じにして
呼吸だけ
できれば、
歩きながらでもできます。

今はマスク生活ですので、
変に思われることはありません。

このトレーニングはとにかく
続けることが大切です。
横隔膜を鍛えて
素敵な声を手に入れましょう。

S-R Labo主宰
松井 みどり

元フジテレビアナウンサー。退社後はナレーターとして活動する一方、舞台活動もスタートし、芝居、朗読、朗読劇などの舞台に年に10本ほど参加。2014年より教える仕事も続けている。

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